映画「任侠学園」の感想とネタバレ、任侠学園は人情学園だった

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映画「任侠学園」を見に行きました。

任侠物や暴力団の映画と言えば、組同士との抗争や暴力で事件を解決するものが多いですが、任侠学園は学園の危機を暴力ではなく、人情で救う阿岐本組のシリアスなギャグ要素やアウトレイジと思わせる中尾彬さんや西田敏行さん、阿岐本組の組員を演じた西島秀俊さん、伊藤淳史さんなどの俳優陣の演技もリアリティーがあって良かったです。

登場人物

阿岐本組

阿岐本雄蔵(西田敏行)

世直し大好きおやっさんで阿岐本組の組長

日村誠司(西島秀俊)

巻き込まれ型兄貴分

三橋健(池田鉄洋)

料理上手のインテリ

二之宮稔(伊藤淳史)

元暴走族で柄シャツ大好きツッコミ担当

・市村徹(前田航基)

情報収集を得意とするIT系頭脳派

志村真吉(佐野和真)
一見チャラ男風

仁徳京和学園高校

沢田ちひろ(葵わかな)

学園一の問題児

・黒田佑樹(葉山奨之)

神出鬼没なカメラ小僧

・江守太一(福山翔大)

生徒会メンバーで元野球部

・小日向美咲(桜井日奈子)

ワケあり優等生

・綾小路重里(生瀬勝久)

事なかれ主義の忖度校長で将棋部の顧問

・白村仁(戸田昌宏)

小心者の教頭

島本義行(猪野学)

生徒を見守る体育教師で野球部の顧問

仁徳京和学園高校の父母会

小日向泰造(光石研)

善人のふりをした半カタギ

隼勇会

唐沢隼人(白竜)

巨大組織のドン隼勇会組長

岡潔(加治将樹)

 喧嘩のプロ隼勇会組員

その他

・永神健太郎(中尾彬)

インチキ感満載永神組組長

・高木のオジキ(高木ブー)

今は亡き高木組組長

・甘糟和男(川島潤哉)

組織犯罪対策部(通称マル暴)刑事部

・西潟源太(佐藤蛾次郎)

 街のガラス屋西潟工務店親方

 

任侠学園の見どころ

・阿岐本組(柄シャツ好きの二之宮、料理好きの三橋など)の魅力的なキャラクター

・仁徳京和学園高校で発生する事件と阿岐本組との人間ドラマ

・阿岐本組と隼勇会とのアクションシーン

・任侠学園のエンディングに流れるNGシーン

 

 

 

感想とネタバレ

冒頭、高木のオジキの葬式から始まります。

多くの組員が参加する中で阿岐本組と睨みをきかせていたマル暴の甘糟和男と一触即発となりますが、阿岐本組の兄貴分、日村誠司の叱咤により事なき得ます。

阿岐本組は地元を愛する弱小ヤクザで組長、阿岐本雄蔵は社会貢献に目はなく、今回は少子化の影響で経営難で借金まみれの仁徳京和学園高校の立て直しを渋々、日村誠司は了承します。

翌日、日村は二之宮を引き連れて学園の偵察に行きます。ふとグラウンドを見てみるとガラス片が落ちていました。日村はガラス片に不審を感じつつ校長室に行きます。

校長曰く、仁徳京和学園高校は学力を下げないために部活自体ありませんでした。玄関に展示してあったトロフィーは以前の部活のものでした。

校長は開校以来、大きな問題がないと言いますが、阿岐本組は疑問に思います。

すると廊下で沢田ちひろと小日向美咲が言い争いをしていました。原因は身体が当たったことが発端で喧嘩になったようです。日村はふたりの喧嘩の仲裁に入って、喧嘩が収まります。

そんなある日の深夜、沢田が学園に不法侵入します。

その翌朝、玄関のガラス窓が何者かに割られていました。阿岐本組は割れたガラスの掃除をしながら他の生徒にも促しますが、無視されます。すると生徒会のメンバーが掃除の手伝いをします。

しかし、ガラスが割られているのは今回が初めてではなく、ガードマンに警備させているにも関わらず何度も割られていることが判明します。そこでガードマンの経費のカットと日村が理事になることを雄蔵が迫り、日村は理事長に就任します。

ふたりは目撃者の情報を元に容疑者である沢田に近づき、学園に侵入してガラスを割ったことを迫るとあっさり自白します。

すると日村は沢田をガラスのある部屋に連れていき、ガラスを割らせようとします。今のうちにガラスを割らせておけばもう割らないのではと日村は判断したようです。

最初、沢田は白い目でふたりを見ていましたが、日村と二之宮は石でガラスを躊躇なく割ります。それを見た沢田もガラスを割ると「私じゃない」と犯行を否定します。

すると後方で写真をシャッター音が聞こえ、あとを追うと黒田が捕まります。黒田はあくまでもファンとして沢田の写真を撮っているようでした。

日村は撮影した写真を見て、写真コンテストに出してみてはどうかと提案します。

またその翌日、ガラスが何者かに割られていました。そこで監視カメラや夜の見回り業務に徹します。不審者を見つけ追い詰めるとそれは沢田でした。

日村は何故侵入したかを問い詰めても何も答えませんでした。日村は自分の過去を話すことで沢田の心を開き、父親は女を作って家を出ていき、母親がそれが原因でおかしくなったと吐露しました。

そして、阿岐本組はガラスを割った犯人を捕まえます。それは生徒会のメンバーでした。ストレス発散のためにガラスを割ったと言う動機に日村は土下座させ、落とし前をつけようとします。生徒会メンバーは掃除をすることで反省します。しかし、太一は反省していませんでした。

泰造は学園の立て直しに暴力団が関わっているのではと不満を漏らしていました。阿岐本組は暴力団と認めず、日村は自らのタトゥーを見えます。

それを庇った雄蔵は日村の素晴らしき人間性を語りながら、泰造に宣戦布告します。

それでも泰造は法で訴えると言いますが、阿岐本組も一歩として譲りませんでした。

ただし、条件として今回の事件を腹から反省するなら取り下げると提案をし、泰造はその条件を飲みます。

すると太一の除いた生徒会メンバーは去年の野球部が傷害事件を起こして、部活がなくなったことを話します。

日村は黒谷が撮影した写真のダンスしている姿を見て、世界は簡単に変わるぞと問いながらダンス大会に出ることを勧めます。

ある日、黒谷の沢田を撮影した写真が教室の壁に貼られていました。それがきっかけで黒谷は写真コンテストに出ることを決意します。

さらに生徒会メンバーは部活を復活させようと活動します。

一方、阿岐本組では泰造は隼勇会と繋がっていること情報を入手します。

校長は過去にアマチュア将棋の経験があり、将棋部の顧問になるように勧めますが、校長は部活よりも理事の本職が問題だと言います。

写真コンテスト当日、残念ながら黒谷が入賞することはありませんでした。

阿岐本組の熱意と努力が伝わり、掃除に協力する学園の生徒も増えていきます。太一は元野球部と判明します。

そんなある日、太一がガラスを割ろうとした瞬間、何者かに襲われます。犯人は捕まり、日村に指示されたと自供します。警察は日村を連行しますが、情報を得るために連行しただけでした。

ダンス当日、隼勇会に沢田と黒谷が拉致されます。

犯人は隼勇会組員の定岡とフリーターで阿岐本組のカタギには手を出さないことを盾に挑みましたが、日村は「人をさらうカタギがどこにいる?」と一蹴して乱闘になります。

しかし、偶然にも美咲のナイフが日村に刺さりますが、最後の力を振り絞って定岡を殴り倒します。日村は病院に行く前に美咲に自分の過去を話します。

日村は過去に阿岐本組のヤクザと揉めて奪った匕首で組長の雄蔵を刺したことがあり、刺された本人も日村を許し、阿岐本組の一員として認められます。

深い傷の痛みに耐えながら沢田と美咲を和解させ、そのまま病院に運ばれます。

阿岐本組は泰造と隼勇会組長唐沢と対峙します。

実は泰造が学園の権利委託を手に入れようとしたのは高速道路の建設予定の土地である学園の土地を入れるために阿岐本組が邪魔だったため隼勇会と結託して、太一を襲わせて罪を擦り付けようと迫りますが、相手はとぼけるばかりでした。

すると雄蔵は泰造が会社経営が上手くいってないことと隼勇会の援助資金を会社で損失した分に当てていたこと、資金流用していたことが判明します。さらに定岡の治療費と隼勇会の援助資金2000万円を返却することで和解し、泰造との手を切ります。

無事に学園に部活が復活し、野球部には太一の姿がありました。阿岐本組は学園の生徒の感謝の垂れ幕を眺めながら去ります。

まとめ

映画「アウトレイジ」や「ゴッドファーザー」のように激しい銃撃戦や処刑シーンがないので、あまり任侠物や暴力団の映画が苦手な人にはお勧めできる映画です。