映画「弥生、三月~君を愛した30年~」の感想とネタバレ

映画「弥生、三月~君を愛した30年~」鑑賞終了。

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映画「弥生、三月~君を愛した30年~」の見どころ

・3月(弥生)を主軸に構成されたストーリー

・波乱に満ちた弥生と太郎の人生

映画「弥生、三月~君を愛した30年~」の登場人物

・結城弥生(波瑠)

太郎とサクラの親友で太郎への恋心を密かに抱きつつも、親友サクラのためにその想いを隠す。

山田太郎(成田凌)

弥生の幼馴染で弥生に恋心を抱いているが、その想いを伝えられずにいた。

・渡辺サクラ(杉咲花)

太郎と弥生の親友で温かい目で二人を見守る。故人。

・あゆむ(岡田健史)

太郎の息子で幼い頃に出会った弥生の影響で教師を目指している。

・白井卓磨(小澤征悦)

弥生の夫で歯科医院を経営している。

中村奈美(岡本玲)

太郎の妻であゆむの母親。

・木山(夙川アトム)

弥生とサクラの担任教師。

・結城冬樹(矢島健一)

弥生の父親。

・結城早苗(奥貫薫)

弥生の母親。

・渡辺雅人(橋爪淳)

サクラの父親。

・山田真里亜(黒木瞳)

太郎の母親。

 

映画「弥生、三月~君を愛した30年~」のネタバレ

第1章:山田太郎と結城弥生の出会いとサクラの願い

1986年3月1日、高校1年の冬の朝。山田太郎は学校へ向かうバスを全力で追いかける結城弥生の姿に目を奪われます。太郎が教室に入ると、黒板に「W.S.はAIDSに感染してます」と書かれていました。”W.S."は太郎と弥生の親友である渡辺サクラで、弥生がクラスメイトを問い詰めても黙るばかりでした。木山に話してもサクラのいじめについて黙認しようとしていました。そこで弥生はAIDSに感染してないことを証明するため、サクラにキスをするのでした。

1987年3月2日、太郎はサッカー部のエースとして活躍し、サクラは彼がゴールを決める姿に元気づけられていました。いつしか太郎に想いを寄せていましたが、難病で長く生きられないことを悟ったサクラは弥生に説得されても告白を躊躇していました。

1987年3月3日、弥生はサクラのお見舞いに訪れて、今から100年前にヘレン・ケラーの元にアン・サリヴァンが訪れた記念日として「奇跡の人」を薦めます。それはヘレン・ケラーのような奇跡が起きて欲しいと弥生なりの願いが込められていました。そこに太郎が遅れて到着し、弥生に促されてサクラが告白するも二人を見て「弥生とサンタには、今のままでいて欲しい」と話します。そして、弥生に来年の卒業式に一緒に出ると約束をするのでした。

1988年3月4日、弥生と太郎は高校の卒業式を迎えます。しかし、サクラは亡くなっており、両親はサクラが好きだった曲である坂本九の「見上げてごらん夜の星を」を流します。卒業式の帰り際、太郎は大学に行かずプロリーグを目指し、弥生はサリヴァン先生のような教師になると宣言します。そして、太郎は弥生に「40歳で独身なら結婚しよう」と告げます。

第2章:山田太郎の結婚と結城弥生の婚約

1996年3月5日、太郎は新婦奈美と結婚して、二人の間に赤ん坊を授かっていました。太郎はJリーグ選手として活躍している一方で、どのチームにも所属していませんでした。弥生は25歳で教員試験に合格して教師になる夢を叶えましたが、太郎に対する恋心は残っていました。

1995年3月6日、教員試験に合格した弥生はサクラの墓参りに行き、墓の前で太郎への気持ちを打ち明けます。一方、太郎は父親になる自信がなく、奈美と夫婦喧嘩していると弥生から電話が掛かってきます。弥生は太郎の部屋に奈美がいることが分かり、焦って切ってしまいます。太郎は夜行バスに乗る弥生の姿を見つけて追いかけますが、間に合いませんでした。

2000年3月7日、太郎が4歳になった息子のあゆむとサッカーをしていると、先方から来期の契約はしないと電話がかかってきます。それは戦力外通告を意味していました。太郎はその弾みで誤った方向にサッカーボールを蹴ってしまい、あとを追いかけたあゆむの前にトラックが突っ込んできます。太郎はサクラの墓の前で息子が軽傷であったと報告する一方で、サッカー選手としても才能のなさに嘆くのでした。

2001年3月8日、怪我で選手生命を絶たれ、奈美と離婚した太郎がサクラの墓にいると弥生を見つけます。そこへ弥生がサクラに結婚報告をしに婚約者の白井卓磨と共に現れますが、咄嗟に二人から離れてしまいます。卓磨は歯科医院を経営をしていて弥生の人生も順風満帆と思いきや、弥生の父冬樹の看病と東京での仕事の板挟みになっていました。卓磨は親子として自身で介護をしてはと転居を提案します。

2009年3月9日、父の介護のため15年ぶりに宮城に戻り、真理亜が経営する「山田屋」を訪れて太郎の所在を聞きます。太郎が仙台に住んでいると判明し、部屋を訪れると体たらくな生活をしていました。弥生は太郎に中学生になったあゆむに会わせようと偶然転がってきたボールを借りて、サッカーをさせます。その後、太郎は弥生を帰らせたくないのか「ずっとこうしたかった」と一夜を過ごしてしまいます。

第3章:結城弥生の過去と代償

2011年3月11日、弥生は卓磨に「大学の友人と飲んだ」と偽り、そのまま学校へ行くと連絡します。そして、午後2時46分に東日本大震災が発生し、弥生は生徒を高台へと避難させて卓磨を探しに行きます。太郎が弥生を探すも手がかりが見つかりませんでした。

2011年3月14日、太郎が弥生を探しているとある病室から「アイツのせいで人生がめちゃくちゃになった」と恨み節を漏らします。その正体は弥生の父冬樹で、彼女にとって忌々しい存在でした。

日は遡り、21年前の1990年3月15日、東京の大学に通う弥生が帰省すると、実家は借金で差し押さえられていました。冬樹は借金をチャラにしようと弥生に結婚を強要しますが、アルバイトをしてでも大学に行こうとします。

1991年3月16日、弥生は父が決めた相手と結婚式を挙げようとした時、太郎が乱入して妨害します。冬樹を羽交い絞めにし、弥生に教師の夢を諦めるのかと語りかけて悩む中、従業員の手違いで坂本九の「見上げてごらん夜の星を」が流れます。すると弥生は何かを決意して男性に結婚を断って立ち去るのでした。

2011年3月17日、真理亜から弥生が見つかった連絡を受けて駆けつけると、そこは遺体安置上で卓磨は近所の子供を守るように亡くなってしまいました。卓磨の両親から東京にいれば助かったと蔑まされ、教師を辞めようとしていました。さらに弥生は太郎に「アンタといるとサクラのことを思い出して辛くなる」と言って去ります。

1999年3月18日、東京で歯科医院として働く卓磨は、患者として通院する弥生のことが気になっていました。ふとした会話をきっかけに、弥生はサクラのことを話し、その後、二人は親しくなっていくのでした。

 

以下、完全な映画「弥生、三月~君を愛した30年~」のネタバレになります。

第4章:結城弥生の再会

2014年3月20日東日本大震災で卓磨を亡くしたショックから教師の仕事を辞めて、本屋でアルバイトをしていると太郎からメールが届きます。一緒にLINEをやらないかのメールを読みますがすぐに消去します。

2015年3月21日、太郎は仙台で、少年サッカーのコーチをしていました。弥生のことはずっと気にかけており、メールの返信がないことを心配していました。

2016年3月22日、弥生が働いていた本屋が閉店となり、無気力のまま本屋から家へ帰るためバスに乗ろうとしますが、乗り遅れます。

2017年3月23日、弥生は寝たきりになった冬樹の看病をしていました。しかし、冬樹は結婚式から逃げたことを根に持っていました。それでも弥生は黙々と冬樹の介護を続けるのでした。

2018年3月24日、冬樹がこの世を去り、持ち物を片付けて病室を去ります。

2018年3月25日、弥生はサクラの墓前で「もうここに来れないかも」と呟いていると太郎が現れて隠れます。その時、一枚の桜の花びらが弥生の手の中に舞い降ります。

2020年3月26日、息子のあゆむは24歳となり教師をしていました。母が再開した定食屋で、太郎はサクラの父から、サクラが死ぬ前に弥生と太郎の結婚式のために録音したカセットテープを渡します。

2020年3月27日、太郎は弥生を探すため、前に住んでいたアパートの大家に聞くと高田馬場にいることが判明して捜索を開始しますが、街の人の多さに途方にくれます。

3月28日、弥生が本好きだったことから古本屋に行くと再会しますが、彼女は逃げます。あとを追うも姿を見失ってしまい、立ち去ろうとした瞬間に坂本九の「見上げてごらん夜の星を」が流れます。そして、太郎は弥生にカセットテープを渡して去ります。駅でカセットテープを聞くと二人に対する感謝の言葉だけでなく、太郎と弥生が両想いで太郎を弥生に託すメッセージでした。

最終章:山田太郎と結城弥生の決意

3月29日、弥生は地元へ帰り、バスに乗ろうとする太郎を追いかけてカセットテープを太郎に返却します。その反面、太郎には新たな問題が発生していました。それはあゆむが「彼女に触れると福島の放射能で感染する」と虐めていた生徒に注意をして謝罪させると、保護者から苦情を言われたことがきっかけで教師を辞めさせられようとしていました。

二人が学校へ行くと多くの保護者に意見陳述を求められていました。他の教員が穏便に済ませるようにと宥める中、あゆむはクラスメイトの前でいじめがあったと話し、「それは弱いからです、強くならなければならない。人を傷つけるよりも幸せになってほしい」と語るも生徒はあゆむに対して、"辞めろコール"を連発します。その時、弥生が怒鳴りながら「こういう大人になろうと思わないの」と反撃、教師に連行される中、あゆみに「教師を辞めるな」と激励します。

3月30日、弥生と太郎はサクラの墓を訪れ、高校時代の時にサクラにキスをして黙らせた弥生に恋をしたと告白をします。そして、坂本九の「見上げてごらん夜の星を」を歌いながら去るのでした。

 

以上、映画「弥生、三月~君を愛した30年~」のネタバレでした。