映画「カイジ ファイナルゲーム」の感想とネタバレ

映画「カイジ ファイナルゲーム」鑑賞終了。

 

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映画「カイジ ファイナルゲーム」の見どころ

・映画の魅力的な登場人物とカイジを支える猛者

カイジ ファイナルゲームに登場するギャンブルゲーム

カイジと刺客との心理戦とトリック

・映画「カイジ ファイナルゲーム」の結末

 

映画「カイジ ファイナルゲーム」の登場人物

伊藤カイジ(藤原竜也)

本編の主人公

高倉浩介(福士蒼汰)

政府が目論むプロジェクトの中心人物

桐野加奈子(関水渚)

「第2回若者救済イベント」の優勝者

廣瀬湊(新田真剣佑)

東郷の秘書

黒崎義裕(吉田鋼太郎)

カイジが所属する派遣会社の社長

大槻太郎(松尾スズキ)

地下王国送りとされたカイジが配属されたE班の班長で、またカイジから金を掠め取ろうと企む

坂崎孝太郎(生瀬勝久)

「沼」攻略におけるカイジの協力者で「最後の審判」でカイジを応援する

遠藤凛子(天海祐希)

帝愛グループの悪徳金融社長だったが、本編では帝愛ランドでカイジと再会してサポートする

西野佳志(山崎育三郎)

高倉の部下

・菅原太一(瀬戸利樹)

優秀なエンジニアで父親の工場を再開させるため「バベルの塔」に参加する

高瀬強士(前田公輝)

良善興業の社員

・『最後の審判』挑戦者(篠田麻里子)

・渋沢総一郎(金田明夫)

日本の総理大臣

・東郷滋(伊武雅刀)

「若者救済イベント」の主催者

 

映画「カイジ ファイナルゲーム」のネタバレ

第1章:序章

2020年東京オリンピックの開催で景気は失速し、物価の高騰と失業者の増加により、日本は金の強者だけが生き残る世界となっていた。
伊藤カイジはこの世界で生き残るべく派遣の仕事をしたが、給料の7割がカットに不満を抱き、黒崎に苦情を言うも「ただの派遣だろ」と一蹴されます。

カイジは帰りにビールを飲んでいると班長と遭遇、カイジバベルの塔に誘います。しかし、参加者が大勢いるうえ、どのビルの屋上に棒が立てられるか分からない以上、作戦の立てようがないと断ります。
班長はある情報網から棒が立てられるビルを知っていると暴露し、バベルの塔の出場を条件に軍資金を要求します。
班長の手取りは5割と高額でしたが、カイジは参加を表明します。

第2章:バベルの塔

バベルの塔当日、多くの参加者が目的地に全力疾走する中、カイジは転倒する演技をします。
参加者がいなくなったことを確認し、カイジは塔が立てられた近くのビルから鉄骨を敷いて、頂上にあるカードを奪い取る作戦を実施する一方で、多くの参加者は塔の周辺で我よと先に9億999万円のカードを奪うべく修羅場と化していました。
その時、どこからかドローンが飛んできてカードを狙いますが、参加者たちが物を投げて撃墜します。
ドローンに気を取られている内にカードも取ろうとした瞬間、参加者たちに目撃されて鉄骨から落下しそうになります。
カイジは鉄骨からジャンプしてカードを獲得しますが、別の参加者の手に落ちます。
その参加者は勝利を確信し、カードを起動しようとするも反応しませんでした。
カードには最初に触れたものしか使用できない指紋認証システムが採用されており、勝者はカイジとなります。
カードの表(現金)と裏(魔法のキー)のどちらかを選択するか聞かれたカイジは魔法のキーを選択します。

第3章:高倉の政策と反逆の東郷

帝愛ランドでは小宮山大臣がさらに資金を増やすため高倉にゴールドジャンケンを挑みますが、敗北して大臣の辞任に追い込まれます。
表面上では小宮山大臣は体調不良で辞任したと報道されます。


高倉は日本景気を回復させる政策として以下の方針を発足します。
政策1.消費税30%に増税
政策2.年金40%カット
政策3.生活保護税廃止

日本の借金1500兆円を国民の資産を利用して相殺する政策でした。

 

カイジは魔法のキーで豪邸に行き、第2回若者救済イベントの優勝者である桐堂加奈子と出会います。さらに主催者である東郷滋が目の前に現れます。

東郷はカイジたちが10億円では満足しないと自負しており、運と野心を持った二人に依頼します。
水面下では政府が金融封鎖をして銀行の預金の引き出しを制限し、帝愛グループで新たな通貨が発行しようと目論み、その陰では高倉が暗躍していました。

 

東郷は余命僅かであり、この国のために尽くしたと考えていました。
期限は天命の儀までにキーとなる人間を徴集した資金(500億円)だけではなく、政府を買収するための資金(1000億円)が必要でした。

カイジは黒崎が帝愛グループの傘下として携わっていることを知り、人間秤に参加します。人間秤に勝利すれば資産を倍得ることが出来る反面、敗北者には破滅が待っていました。


東郷の元に弟義信が娘夫婦が相続した土地(約50億)を持参し、さらに学生時代の知り合いであるIT会社社長堂本も滋の協力者として参戦します。
実は東郷には愛人と間に子供がいましたが、手切れ金として絵画を渡して見捨てました。カイジは東郷の愛人を探しますが、子供を残し病気で亡くなったと知ります。
その聞き込みの帰りに暴漢に襲撃され、意識を取り戻すとバベルの塔の参加者がいました。匿名でカイジが大金を持ち歩いていると言う情報を得て、襲ったのでした。
その中に父親が遺した工場の再開させるため「バベルの塔」に参加した菅原太一がいました。しかし、カイジは逆手に取って協力させます。

第4章:最後の審判~人間秤~

人間秤の当日、不動産王と派遣王の戦いとなり、ルール説明がされます。

ルール1.対決時間は12~17時までの5時間勝負。
ルール2.時間内に投下された金貨はすべて有効。
ルール3.ルーレットにより3つのステージの順番を選択する。
ルール4.14時、16時、17時の3回、どちらかの秤はどちらの秤が重いかを開示。
ルール5.地面に落ちた金貨は帝愛側が没収。


参加者が所持している金貨は30万円で、美術品、骨とう品、貴金属はその場で鑑定されるシステムでした。そして、12時10分に人間秤がスタートします。

最初に"FRIEND"と表示され、彼らに多くの支援者が訪れます。
黒崎の支援者の年齢層はバラバラ、そのよそよそしい様子にカイジは疑問に感じます。
その背景には派遣社員に借金をさせて、強制的に参加させていました。
滋の元にも学生時代の友人が訪れて、金塊や象牙、サンゴを提供しますが、象牙やサンゴはシステムに登録がないので鑑定不可となります。

カイジはシステムはインチキだと異議を唱えますが、黒崎は違法に入手したのではと反論します。そこに堂本が来て東郷を助けると思いきや、裏切って寝返ります。
黒崎は堂本に「粉飾決算をバラされたくなければ自分にかけろ」と脅したのでした。

 

次に"FLXER"と表示され、東郷の元に銀行から10億円融資する手筈が上からの圧力で3000万円までしか出せないと言われます。黒崎は銀行まで手玉に収めていました。

 

次に"FAMILY"と表示され、黒崎は3日前に結婚した資産家のレイカを呼び出し、父親から貰った110億円の小切手を渡します。

義信も兄に土地の権利書を差し出しますが、鑑定結果は金貨数枚で、いましがた政府がその土地にごみ処理場の建設すると発表して暴落したのでした。

カイジは何者かにより東郷の情報が漏れているのではと判断します。
その犯人は東郷の秘書廣瀬で、東郷と愛人浩美の息子で、証拠に絵画を持参しており、廣瀬は母親の復讐として黒崎と結託していた。
廣瀬は幻の絵画を渡しますが、価値がなく東郷が書いたもので額縁の値段しかなりませんでした。


遂に東郷は過去を語り始めます。
東郷は妻と結婚していましたが、妻の浪費癖により離婚、そこに料亭で働いていた浩美と出会い子供を授かります。しかし、ひろみは生まれつ身体が弱く子供の出産と同時に亡くなります。

黒崎は幻の絵画に価値がないと知ると、廣瀬を役立たずだと罵ります。
そして、カイジは問います。どっちに投げるかはお前の自由だと…。

廣瀬は父親に恨みを持ちながらも母親ならこうすると決断し、東郷の秤に投げ入れますが弾かれます。
1回目の計量では東郷の勝利でしたが、2回目の計量では黒崎が逆転勝利します。

 

次に"FAN"と表示され、会場にいる観客が金貨を投げ入れるイベントで、"FAN"は勝ったほうに賭けていれば掛け金が倍に返ってくるだけはなく、就職先などその後の人生も勝者に与えられる特権がありました。
さらに金貨はナンバリングされ、誰がどちらの秤に投げたか分かるようになっていました。多くの参加者は黒崎の所へ行き、人の価値は金が決めると言います。

第5章:ドリームジャンプ

そこでカイジは予備として隠していた10億円を10倍にして返すと宣言してギャンブルに行きます。
しかし、VIPルームの賭博場は閉まり、残っているのはドリームジャンプだけでした。
そこに遠藤凛子と遭遇します。カイジはドリームジャンプに挑戦すると話すと、遠藤は当たり番号を知らない限り勝てないと断言します。

カイジは投票券を買っている客がいないので、特別ルールで買ったらBETした金を10倍にしろと要求します。ルールは受け入られましたが、最初からランダムで選ばれるはずの当たりロープは、背後のブラックボックスで黒服たちが操作できるようになっていました。直前に機械の不具合が起きて当たり番号は変更できなくなるが、ゲームは続行します。

その時、カイジが"9"か"10"で悩んでいると加奈子が番号を伝えようとしますが、黒服に従業員に取り押さえられます。カイジは悩んだ挙句、"10"を選択します。

その裏では廣瀬にブラックボックスの配線を切断させ、加奈子に捨てられたハズレ券で唯一ない数字を探して貰っていました。
その直前にカイジは加奈子と出会った時の僅かなポーズで"9"と判断し生還します。

第6章:逆転勝利

カイジが駆けつけた時には人間秤は終了し、黒崎が勝利を確信する中、カイジは意図的に秤の時計の時間を偽造していました。

ゲームの前日、秤のメンテナンスが遅れているのを利用して、元時計職人の杉山を帝愛グループの派遣社員として侵入させます。
さらに菅原たちと協力して、ビックベンと言う方法で少しずつ時計を進ませる工作をしていました。

 

この5分の間に大量のドローンが秤に金塊を乗せていきます。
カイジは観客に金貨を投げるよう指示するも躊躇していると坂崎が現れて声援を送ります。激しい攻防が続き、タイムアップとなり、最終集計の結果は僅差で黒崎の勝利と思われたが、ある一枚の金貨が落ちてカイジの勝利となります。
それは額縁代しかならなかった縁が欠けた金貨でした。

カイジは黒崎に「派遣社員に足をすくわれたな」と揶揄し、兵藤の命令で地下送りとなります。

しかし、高倉はそれを予期しており、前倒しで天命の儀が終了させていました。

最終章:ゴールデンジャンケンと最終決戦

政治家たちは新紙幣を持ち逃げし、第2の鍵コンテナを開けようとしますが、パスワードエラーで開きませんでした。それはカイジがパスワードを変更していました。

 

そこでカイジはパスワードを賭けたゴールドジャンケンに挑みます。

ルールはカイジが1回でも勝てば預金封鎖の解除と提案しますが、高倉は自分が不利だと言われ、あいこも勝利だとルールを飲みます。最低でも1回は金の卵を握ってグーを出さなければならないので、カイジにとって厳しいルールでした。

 

1戦目、高倉はチョキ、カイジはパーを出して高倉の勝利でコンテナの鍵を渡し、パスワードが解除されます。

2戦目、カイジはグーを出さざるを得ない(ここでグーを出さないと3戦目カイジの手は必ずグーになるため)、高倉もカイジもグーであいこで高倉の勝利、出入り口の鍵を渡します。

3戦目、高倉はカイジが金を握っておらずチョキかパーを出すと読んでいました。パーを出せば負ける可能性があるので、高倉はチョキを出し、カイジはグーを出し、高倉は驚きます。

何故高倉はカイジが金を握っていないと読んだのか、それは金の卵は鉄の2.5倍の重さがあり、僅かな肩の傾きと腕の振りで判断していたのである。金の卵を持っていなければパーかチョキと思い込んで、金を握っていない手でグーを出す可能性を忘れていたのでした。

勝者はカイジで、預金封鎖の解除を命じますが、トランクの鍵のパスワードは明日正午になれば自動解除されるため、パスワードがなくても構いませんでした。だから、高倉には預金封鎖を解除する必要がなく、翌日預金封鎖が実施され、新紙幣を発行すると発表します。

首相や政治家たちは満面の笑みでトランクを開けると、新紙幣は表面の1枚だけでそれ以外は旧札でした。

東郷は印刷局の局員に1000億円と引き換えにパスワードの変更だけではなく、新紙幣と旧札のトランクのすり替える手筈の整えていたのでした。

 

その時預金封鎖はデマで、菅原たちにより匿名で総理大臣や政治家たちが新紙幣を求めて殺到する映像が投稿されます。

カイジはトランクの鍵が正午に解除されることを知っていました。高倉にとってトランクの鍵の不要なパスワードなので、3戦目まで残るのはトランクのパスワードであり、トランクの中身を持ち帰らせるために、カイジは3戦目までに1回勝つことに専念したのでした。

 

高倉の野望は崩れ去り、カイジと対峙する中で一言、「誰が何かにBETするのかは自分で決めるものだ!勝負すべき人間が決めるんだ!」と一喝するのでした。

カイジは大きいトランクを選び、豪遊して中を見ると入っているのはただの水でした。カイジは呆然しながらもビールを飲み干すのでした。

まとめ

カイジと高倉の演技や心理戦は最初から最後まで楽しめたが、ギャンブル要素は少なめでした。ストーリーも歴代のカイジ映画と比べると王道的な展開でしたが、遠藤凛子や坂崎孝太郎が登場したのは救いだったかな…。