映画「カツベン!」の感想とネタバレ

映画「カツベン!」の鑑賞終了。

 

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映画「カツベン!」の見どころ

・映画「カツベン!」の世界観と大正時代独特の建物や衣装

・豪華な俳優陣と活動弁士を演じる俳優の軽快なトーク

活動弁士を目指す俊太郎の葛藤と梅子の再会

・俊太郎と茂木の活動弁士を巡るシリアスな戦い

映画「カツベン!」の登場人物

染谷俊太郎(成田凌)

本作の主人公で活動弁士を夢見る青年

栗原梅子/芸名:沢井松子(黒島結菜)
俊太郎の初恋の女性で活動写真の女優を目指して奮闘する

山岡秋聲(永瀬正敏)

映画館「青木館」に所属する活動弁士で俊太郎の憧れの存在

茂木貴之(高良健吾)

映画館「青木館」に所属する活動弁士で流し目で女性たちを虜にする

内藤四郎(森田甘路)

映画館「青木館」に所属する汗っかきで有名な活動弁士

永尾虎夫(音尾琢真)

大金を狙う泥棒で一時期俊太郎とタッグを組んでいた

浜本祐介(成河)

俊太郎が働いている「青木館」の映像技師

無声映画「南方のロマンス」ヒロイン(シャーロット・ケイト・フォックス)

無声映画である「南方のロマンス」のヒロイン

お宮(上白石萌音)

無声映画金色夜叉」の登場人物

アルマン(城田優)

無声映画「椿姫」の登場人物

マルギュリット(草刈民代)

無声映画「椿姫」の登場人物

牧野省三(山本耕史)

映画監督。二川文太郎と共に日本映画の黎明期を支えた

二川文太郎(池松壮亮)

映画監督。日本映画の黎明期を支えた無声映画演出のパイオニア的存在

青木富夫(竹中直人)

山岡や茂木が所属する映画館「青木館」の館主

青木豊(渡辺えり)

青木富夫の妻

定夫(徳井優)

映画館「青木屋」の学士の一人

金造(田口造正)

映画館「青木屋」の学士の一人

耕吉(正名僕蔵)

映画館「青木屋」の学士の一人

橘琴江(井上真央)

「青木館」のライバル映画館「タチバナ館」の館主である橘重蔵の娘

橘重蔵(小日向文世)

映画館「タチバナ館」の館主

木村忠義(竹野内豊)
活動弁士逮捕に執念を燃やす警察官

映画「カツベン!」に登場する無声映画

・怪猫伝

・後藤市之丞

火車お千

・南方のロレンス

金色夜叉

ノートルダムのせしむ男

十誡

・不如帰

・椿姫

国定忠治

・雄呂血

 

映画「カツベン!」のネタバレ

第1章:染谷俊太郎の過去と葛藤

1915年(大正4年)、幼き染谷俊太郎は山岡秋聲の活動写真「後藤市之丞」を見て以来、活動弁士の仕事に興味を持ちました。

ある日、国定忠治の活動写真を見ようと小窓から侵入しようとしますが、塞がれて断念。そこで俊太郎は梅子に活動弁士になりきり"怪盗ジゴマ"を見せ、いつか活動弁士になると決意しました。また、梅子も活動写真の役者になると心に決めました。

10年後、山岡秋声の活動写真の巡礼中、一味は蔵から金目の物を盗んでいきました。それを山岡に伝えると活動写真が終わって、すぐに変装を説いて逃走しました。

山岡に扮していたのは俊太郎でした。

しかし、俊太郎は強盗をするために利用されていると安田に不満を漏らすも仲間から他の活動弁士の喉が潰されたと忠告されました。

第2章:活動弁士の現実

俊太郎は駒田好洋で活動写真をしているとで木村刑事が引退した活動弁士に不審を感じ、道中で俊太郎は安田を見捨てて、現金を持って逃走しました。

青木屋では活動弁士の茂木貴之の学士の人使いの粗さで富夫の制止を振り切って出ていきました。

俊太郎は人手不足から青木屋を隠れ蓑に国定忠治と名乗り、活動弁士を目指すも命じられたのは雑用係でした。

元々、青木屋は市川團十郎が立っていた名誉ある芝居小屋でしたが、学士も不足していました。しかし、活動弁士の一人である茂木の巧みな話術と女性を虜にする流し目で経営を保っていました。

俊太郎は富夫にフィルム保管庫に案内され、咄嗟に現金を天井に隠しました。

山岡に会うも昔のような活動弁士の威厳はなく、ただの飲んだくれでした。

橘興業の橘重茂の娘琴江は茂木の引き抜きを実行していました。

茂木が"不如帰"を始めると女性がはしゃぎ出し、映写技師の浜本は茂木の難癖を嫌い、喋りに合わせていました。

第3章:俊太郎の活動弁士の第一歩

ある日、山岡がするはずの活動写真の時間になっても起きず、富夫は代理を探していました。茂木は山岡の尻ぬぐいすることを拒否、内藤は今しがた活動写真に出たばかりと断りました。そこに俊太郎が変装して椿姫の活動写真をアドリブで演じると大喝采の嵐、その姿を見た山岡が激怒して同じ活動弁士はいらないと吐き捨て立ち去りました。

国定天聲の名で"南方のロレンス"の活動写真をすると大爆笑、そこに二川文太郎が現れて俊太郎を褒めると共に名刺を渡しました。

さらに木村刑事が来て俊太郎を捕まると思いきや、国定を褒め称えました。木村刑事は山岡の偽弁士を探していると告げ、青木屋をあとにしました。

一方、梅子は茂木と密会、茂木が梅子を襲うとした瞬間、反対側の部屋にいた俊太郎と茂木の箪笥の引き出しの押し合いへし合いで気絶させました。その隙に梅子が俊太郎と逃避行を提案しますが、活動写真の夢を叶えたいと断りました。

ある日、定男に俊太郎が現金を天井に隠しているところを目撃されました。

俊太郎は茂木に言われるまま裏口に向かうと安田と大男がいました。安田は銃で脅しながら「現金はどこだ」と聞きますが恍けました。

安田は琴江は俊太郎を好かれていることから殺さず、代わりに活動弁士の命である喉を潰そうとしますが、梅子が大声を叫び助け出されました。

俊太郎は"火車お千"を演じるも喉の調子が悪く、客からヤジが飛びました。そこで梅子が助けに入って乗り切ることに成功しました。

第4章:青木屋と俊太郎の危機

浜本と飲み明かして帰宅すると部屋が荒らされており、天井に隠してあった現金も定夫に奪われていました。定夫は遊郭で豪遊していました。

富夫は橘の仕業だと嘆きますが、山岡が使用可能なフィルムを繋げてその場を乗り切ろうと提案し、俊太郎も賛同しました。

琴江が帰るとドアの前に大男が立っており、その中には梅子が監禁され、助ける代わりに俊太郎のことを教えるよう要求しました。

梅子は俊太郎は義理人情の厚い男であり、「生まれてから苦労したことがない琴江に幸せなんて分かるはずがない、幸せってちゅうのはキャラメルの味」と反論しますが、琴江は義理人情なんてないと一蹴されました。

俊太郎は重茂が出ていく姿を確認したのち、梅子を助け出そうとしました。そこに大男が現れ命の危機に陥りますが、琴江が背後から殴り倒して取引を持ちかけました。

梅子を助ける代わりに私の専属弁士になるよう要求しました。しかし、俊太郎は「梅子が無事やったら活動弁士を捨てる」と断りました。

琴江は観念して鍵を渡すふりを見せてキスをしました。

そこに大男が俊太郎に向かって体当たりをしますが、ギリギリのところを躱してスクリーンを突き破って茂木の活動写真を台無しにしました。

定夫が酔いつぶれて寝ている内に現金が奪われました。

青木屋では国定天聲の特別公演が遅れていると富夫たちに苦情を言う客で溢れていました。代理で内藤に活動弁士弁士をやらせても次々と変わる展開にしどろもどろ、客が帰ろうとした瞬間、国定天聲が登場して見事なアドリブで乗り切り大成功を収めました。

梅子が駅で俊太郎を待っていると二川が来て、「僕の次回作(無頼漢)に出ないか」と提案しました。さらに俊太郎に頼まれたこと、梅子と仕事がしたいんだと話すと京都に行くことを了承しました。

最終章:偽活動弁士の発覚と逃走

茂木は重茂に俊太郎が梅子を逃げたと告げ口をして、安田が俊太郎に銃口を向けた時、警察の声が響きました。安田は銃を捨てますが、声の正体が山岡だと発覚しました。

そこに木村刑事が来て、安田と木村刑事と乱闘になりました。木村刑事は国定を逃そうとしますが、安田が国定が偽活動弁士だと暴露しました。

浜中が安田に抵抗した際、発砲した銃弾が可燃物の瓶に当たり炎上、俊太郎と安田、木村刑事の追跡劇となりました。安田は木村刑事が放った弾丸が命中して逮捕、俊太郎は「刑事にいつか捕まると思っていた」と逃走を諦めて自首しました。

青木屋は全焼し、富夫たちが絶望していた時に青い缶に入っていた現金を発見して再建しました。

俊太郎は"怪盗ジゴマ"の続編を語り、刑務官や囚人を喜ばせました。面会に来た梅子は刑務官にある物を渡して帰りました。俊太郎は刑務官からキャラメルを受け取り、幼き自分と梅子の思い出に浸りながら微笑むのでした。

まとめ

俊太郎が活動弁士になるまでの葛藤、俊太郎から活動弁士を奪おうと画策する茂木、偽活動弁士を追う木村刑事とシリアスなシーンから活動写真ならではのアドリブシーンと無声映画の歴史を知る機会を得ることができる映画でした。