長月公開映画の感想

 ・映画「アス」の感想

監督は「ゲット・アウト」でお馴染みのジョーダン・ピール

映画「ゲット・アウト」と同様にアメリカ社会が抱える問題が隠されています。

冒頭の檻に閉じ込められたうさぎ(レビ記では不浄な生き物)と地下に閉じ込められたクローン人間(=貧困層)を対比して、終盤では檻からうさぎが解放されていますが、これは貧困層の富裕層に対する反逆ではないでしょうか。つまり、地上の人間(=富裕層)との社会格差を比喩して作られた映画だと言えます。

また、ウィルソン一家とあることがきっかけでウィルソン一家になろうと目論むドッペルゲンガーの心理戦、自分と全く同じ人間が自分を殺しにやってくる脅威、ウィルソン一家とそのドッペルゲンガーを演じたキャストの怪演技が相まって、より恐怖感が増す映画でした。

 

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 ・映画ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形」の感想

時代に翻弄されて生き別れたイザベラとテイラー、イザベラの教育係として臨時出張したヴァイオレット。最初はイザベラに反発されながらもヴァイオレットのひたむきな姿に少しずつ心を開いていく。イザベラには妹テイラーがいることを知り、ヴァイオレットはイザベラに手紙を書くことを勧め、その手紙はテイラーの元に届く。

そして、テイラーはイザベラに会うために手紙を手がかりにヴァイオレットと共に捜索を開始する。

アニメ版も素晴らしかったのですが、劇場版も劣ることなく映像も音楽もストーリーも最高で純粋で不器用なヴァイオレットがイザベラとテイラーの絆を手紙によって紡ぎだす涙なしでは語れない映画でした。

 

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・映画「フリーソロ」の感想

970メートルの高さを誇る断崖絶壁を命綱なしで超人的な身体でロッククライミングをするアレックス・オノルド。

その裏には断崖絶壁に阻まれ挫折し、何度も足場を踏み外しながらも挑戦する屈強な精神力、これがCGではなく、本当に実写だと目を疑った。撮影者もアレックスの集中力が削がれないようにドローンを使い、撮影に取り組むクルーの姿は健気だった。

ただ、山に登ることに取り憑かれすぎて、恋人も家族も他のことは全て二の次。

アレックスは断崖絶壁を登り切っても、あくまでも通過点に過ぎないと言い切る始末で最後の恋人の顔は切なかった。

 

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・映画「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」の感想

アニメ版を見た人間からしてみれば、これ程悪くない映画だったかな…ただし、キャストを気にしなければの話ですが…。

アニメ版と実写版を当てはめると映画「ラブ・リフレイン」のペアチケット争奪戦は第1話、柏木渚と田沼翼の告白は第2話、四宮ちんちん暴発事件は第7話、夏祭りの花火大会は第12話、そして、生徒会長選挙戦。もし、四宮の豪華な弁当やガラケーを登場させるならタコさんウインナーとLINEのID交換を入れるべきだった。

あと、オリジナルで登場した佐藤二朗情熱大陸とソーラン節は要らんかった。

 

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・映画「荒野の誓い」の感想

コマンチによって家族を皆殺しにされたロザリー、イエロー・ホークによって友人が殺された恨みのあるジョー大尉、ジョーの脅しにも死を恐れぬイエロー・ホーク。

ザ・王道ウエスタン映画らしく復讐する相手と復讐すべき相手を差別化し、複雑な感情と行き場のない怒りを抱えているのだけど、その抱え具合がなんとも共感できる。

そして、コマンチの襲撃や囚人となった元兵士ウィルスの護衛任務によって無慈悲な現実を突きつけられることになる。
後半に入ると、その複雑な感情が少しずつ清算され、ジョーもイエロー・ホークと和解する。ジョーの「過去を振り返るのはよそう」に対して、イエロー・ホークの「友よ、前に進もう」は名台詞ですね。

最後は何とも切ない結末でしたが、多くの仲間の死を乗り越えて涙ぐむクリスチャン・ベイルは神演技でした。

冒頭はアウトロー(76)のジョージーウェールズやウエスタン(68)のジル・マクベインの境遇に似ていますね。ラストはワイルド・レンジ 最後の銃撃(03)のボスような悲壮感が残る映画でした。

 

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・映画「BanG Dream!FILM LIVE」の感想

本編は1時間30分と短いアニメ映画だったが、バンドリの曲で凝縮された映画だったが、バックステージに控えていた「SILENT SIREN」が楽曲を歌わなかったことがマイナス点かな…。

 

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・映画「記憶にございません!」 の感想

三谷幸喜ワールド全開のコメディ映画と思いきや意外にゆっくり見れる映画でした。THE 有頂天ホテル寄りの映画で黒田総理を演じる中川貴一さんはグッドモーニングショウと異なるコミカルな演技、井坂を演じるディーン・フジオカさんの背感感、まるで空飛ぶタイヤの沢田悠太ようでした。

また、番場のぞみを演じる小池栄子の黒田総理を陰ながら支える正妻感、何よりも警察官を演じた田中圭さんが印象的に残ってますね。

さらに石田ゆり子さん、吉田羊さん、佐藤浩市さん、草刈正雄さんと豪華キャストで政治に詳しくなくても安心して見える映画で笑いよりも記憶に残る映画と言えます。

 

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・映画「僕のワンダフル・ジャーニー」の感想

僕のワンダフル・ライフではベイリーが何度も転生して飼い主であるイーサンの元へ戻ってくるストーリーでしたが、今回はイーサンの孫娘であるCJとベイリーが主軸となってストーリーが進行していきます。前作と違うことはCJの家庭環境(母親グロリアと再婚相手のバリー)や歌手になるための葛藤、幼馴染であるトレントの再会と恋人の存在、そのひとつひとつのプロットがベイリーによって不幸な人生からワンダフルな人生へと繋がっていきます。そこにはイーサンからCJへと受け継がれるベイリーの愛情があり、不運な人生でも支える者がいれば幸せになれることを示す映画ではないでしょうか。